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ObsidianにAIを載せたら別物になった話

By vinesystems

一度Obsidianをやめた人間が、AIと組み合わせることで完全に別の道具として使い始めた、という話を書く。

Obsidianをやめた理由

前回の記事で書いた通り、以前Obsidianを離脱した時期がある。プラグイン入れすぎで重くなったこと、Copilotが期待外れだったこと、タスク管理で挫折したこと。根本的な原因は「合わない運用を無理にやろうとした」ことだった。

AIの進化が復帰のきっかけになった

戻ってきた理由は明確で、AIがノートの処理を勝手にやってくれる時代になったからだ。

Obsidianの良さはMarkdownのプレーンテキストがローカルに置いてあること。これはAIエージェントにとって都合が良い。APIもデータベースも要らない。ファイルを直接読み書きすればいい。自分がこの組み合わせを選んだ理由もそこで、プレーンテキスト+ローカルファイルシステムはAIとの統合で一番シンプルに動く。

「AIコーディングは後から苦しくなる」という指摘が最近よく出てくるが、その原因の一つがコンテキストの喪失——AIはセッションが切れると「なぜその設計を選んだか」を忘れる、という問題だ。Obsidianに判断の記録を残しておけば、次のセッションでもそれを参照できる。ADR(アーキテクチャ決定記録)をAIに自動生成させてVaultに保管する、というのはまさにこの問題への対処になる。

人間がやることを3つに絞った

復帰にあたって、運用を徹底的にシンプルにした。人間がやることは3つだけ。

  1. 1ノート1トピックで書く
  2. 適切なフォルダに置く
  3. そのまま保存する

これだけ。テンプレートが status: raw を自動で設定してくれるので、保存した時点でAI処理の対象になる。あとはClaude Codeに「rawのノートを処理して」と言えば、要約・構造化・タグ付け・関連ノートへのリンク追加をまとめてやってくれる。処理が終わると元のノートは sources/ フォルダに退避され、整理された新しいノートのステータスは外される。人間は処理結果を確認するだけでいい。

この方式のポイントは、メモを取る時点では何も考えなくていいこと。とにかく書いて置いておけば、あとからAIが構造を与えてくれる。以前挫折した原因を避けた運用なので、これなら続けられると思った。

Claude Codeとの統合が本体

Obsidian単体の話ではなく、Claude Codeとの統合が今の運用の核になっている。

Obsidian CLIがリリースされたことで、ターミナルからVaultのノートを直接操作できるようになった。Obsidian v1.12以降で使える機能で、obsidian search query="..." でVault内検索、obsidian property:set でfrontmatterの操作、obsidian tasks todo でタスク一覧の取得ができる。Claude Codeのセッション中にノートを読み書きできるので、作業の流れを止めずに記録を残せる。

ただし、CLIにも癖がある。obsidian read file=ノート名 は名前解決が曖昧で、意図しない同名ノートの内容を返すことがある。obsidian delete に至っては別のノートを消す危険すらある。なので実運用では、読み書き・削除・移動はファイルの直接操作(Readツール、Editツール、mvコマンド等)を使い、CLIは検索・プロパティ操作・タスク管理など、CLIが優位な操作に限定している。

もう一つ重要なのがスキルシステムだ。Claude Codeでは、繰り返し行う処理をスキル(SKILL.md)として定義できる。自分はこれを2層に分けて管理している。

  • 個人共通スキル~/.claude/skills/): どのプロジェクトでも使うもの。ADR生成やプロジェクトオンボードなど
  • Vaultローカルスキル.claude/skills/): このVaultでのみ使うもの。ノート処理やニュースチェックなど

スキルのマスターファイルは claude-skills/ フォルダに置いてObsidian Sync経由で同期し、セッション開始時にワーキングコピーへコピーする運用にしている。.claude/ はドットディレクトリなのでObsidian Syncの同期対象外だから、こうしないと他の端末に変更が届かない。

情報収集まで自動化した

スキルの仕組みを使って、日々の情報収集をほぼ自動化した。

たとえば /news-check はRSS中心に複数カテゴリのニュースソースを巡回し、重要度で上位数件に絞って報告してくれる。同様にメールの仕分けやジャンク品の検索もスキル化してある。これらの出力はすべてObsidian Vaultにノートとして保存され、気になるトピックはそこから深掘りしてVaultに残す。情報収集→蓄積→深掘りの流れがVault内で完結している。

「使い続けられる」仕組みになった

前回Obsidianをやめた根本原因は、人間側の負担が大きすぎたことだった。整理しないといけない、リンクを貼らないといけない、タスクを管理しないといけない。全部「しないといけない」だった。

今の運用は逆で、人間は書くだけ。構造化もタグ付けもリンクも情報収集もAIがやる。人間の仕事は「1ノート1トピックで書いて、適切なフォルダに置く」、それだけだ。

正直、ここまでやるとObsidianというよりClaude Code側が主役で、Obsidianはストレージとビューアに近い位置づけになっている。が、それでいいと思っている。Markdownのプレーンテキストがローカルにあるという基盤は変わらないし、ObsidianのGUIでグラフビューを見たりタスクダッシュボードを確認したりする体験は、ターミナルだけでは得られない。それぞれの得意なところを使い分ければいい。

まあそんな感じで、ObsidianにAIを載せたら思った以上に化けた、という報告。

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