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CLIエージェントが変える個人開発——「実装者」から「指揮官」へ

By vinesystems

はじめに

「作りたいものはあるけれど、週末の数時間ではボイラープレートを書いて終わってしまう」

経験を積んだエンジニアほど、この閉塞感に覚えがあるのではないでしょうか。設計の理想は明確なのに、実装に費やせる時間が足りない。妥協したくないからこそ、プロジェクトが進まない。

この状況を変えつつあるのが、Claude CodeやAiderに代表されるCLI型AIエージェントです。これは単なるコード補完ツールの進化ではありません。開発プロセスそのものを再定義する、構造的な変化だと感じています。

実例:WordPressテーマを1時間で構築する

具体的な話をさせてください。このブログで使用しているVineSystems テーマは、Claude Codeを使って構築しました。

1時間で何ができたか

  • Docker環境の設定
  • Sage(Roots)フレームワークの導入
  • Tailwind CSSによるスタイリング
  • Bladeテンプレートの作成

これらを約1時間で形にできたんです。

従来のやり方との違い

従来であれば、Sageのドキュメントを読み込み、Dockerの設定ファイルを書き、CSSの設計方針を決め、テンプレート構造を考える。それだけで週末が終わっていたはずです。

では、何が違ったのか。私が行ったのは「何を作りたいか」「どういう構造にしたいか」を言語化し、エージェントに伝えることでした。実装の詳細——Viteの設定やTailwindのカスタムカラー定義——はエージェントが処理してくれました。

役割の変化:実装者からアーキテクトへ

CLIエージェントを使った開発では、エンジニアの役割が明確に変わります。

対話による仕様の具体化

曖昧なアイデアをエージェントにぶつけると、不足している情報を逆に問われます。

  • 「カラーパレットはどうしますか」
  • 「レスポンシブの breakpoint は」
  • 「コードブロックのシンタックスハイライトは必要ですか」

この対話自体が、仕様を固めていくプロセスになるんです。

実装の委任

コンテキストを理解したエージェントが、リポジトリ全体を横断してコードを書いてくれます。

  • ファイル間の整合性
  • 命名規則の統一
  • 依存関係の管理

これらを人間が逐一確認する必要がありません。

レビューと方向修正

上がってきたコードが意図通りか、設計に歪みがないかをチェックします。問題があれば修正を指示する。

この工程こそ、経験を積んだエンジニアの知見が最も活きる場面です。

「隙間時間」の価値が変わる

個人開発の最大の敵は、まとまった時間が確保できないことですよね。平日夜の30分では、前回のコンテキストを思い出すだけで終わることも珍しくありません。

CLIエージェントは、この隙間時間の価値を変えてくれます。

非同期的な開発サイクル

短い時間でも「次に何を実装すべきか」を指示しておける。エージェントが生成したコードを翌朝レビューし、修正点があればまた指示を出す。

こうした非同期的な開発サイクルが成立するようになります。

時間のかかる作業が一瞬で終わる

環境構築やリファクタリングといった、従来なら週末を丸ごと費やしていた作業が、数回のコマンドで完了する。

このスピード感は、プロジェクトを継続するモチベーションに直結します。

DIYの本質とは何か

「AIに書かせるのは、自分で作る楽しみを放棄しているのではないか」

この疑問はよく分かります。ただ、少し立ち止まって考えてみてください。

本当に楽しいのはどこか

「DIYの楽しさ」とは何でしょうか。

  • キーボードを叩く行為そのものに価値があるのか
  • それとも、自分の理想やビジョンを具現化することに価値があるのか

時間の使い方を見直す

細部の実装やライブラリのバージョン対応に時間を取られ、本来注力したかった「設計の妙」や「こだわり」に手が回らない——これって本末転倒ではないでしょうか。

CLIエージェントは、本当にやりたいことに集中するための手段です。

まとめ

CLIエージェントの導入は、技術力の放棄ではありません。むしろ、これまで時間的制約で諦めていた規模のプロジェクトに挑戦できる可能性を開いてくれるものです。

エージェントが手を動かし、人間が指揮を執る。この分業体制は、経験を積んだエンジニアにとって、かなり現実的な選択肢になってきていると思います。

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