目次
はじめに
皆さんこんにちは。今回、MicroPC2を購入しましたので、その経緯から実際の使用感までを、MicroPCユーザーの視点からお話ししていこうと思います。
購入まで
購入の経緯
スペック不足に悩む
初代MicroPCを2020年5月1日に購入してから、あっという間に5年4ヶ月が経ちました。当初はそこそこ新しくてそこそこ速い印象があったMicroPCでしたが、その心臓部とも言えるCPU、Celeron N4120は、今やかなり古株の存在となっています。
5年という歳月は、テクノロジーの進化が目覚ましい現代において、決して短くはありません。初代MicroPCのCPUは、その進化のスピードに追いつけず、パフォーマンス面で限界を感じ始める頃合いです。

PassMarkのスコアについても確認してみましたが、この性能をメインで使うのはさすがに厳しいと言えますね。
ちなみに、このスコアに近いCPUというと、
- Intel Pentium Silver N5030
- Intel Core i3-6157U
といった、少し前の世代のCPUになります。まさに「化石」と呼べるレベルですね。
落としてしまってガタが来ている
実は以前、高いところからコンクリートの床に落としてしまったことがあって、残念ながら筐体の一部がへこんでしまいました。写真の通り、衝撃で変形してしまったんです。
この時の衝撃が原因なのか、それとも別の原因なのかは特定できませんでしたが、それ以来、動作が不安定になってしまいました。
筐体を開けて色々と修理してみましたが、動作不良は改善せず、数年間くらいだましだまし使っていました。

代替機を探す旅に出る
これまで、Micro PCの代替機を探すも、なかなか理想的な一台に出会えずにいました。様々な製品を検討しましたが、結局、これだ!と腑に落ちる端末は見つからなかったというのが正直なところです。
例えば、2021年6月19日に購入した「MAL-FWTVPCM1」という端末があります。この端末は、性能もそれなりで良い製品なのですが、キーボード配列が私にはあまり合わず、メインのPCとして頻繁に使用することは結局ありませんでした。

ちなみに、キー配列の詳細は上記の公式画像をご参照ください。一見するとキーピッチが広く、打ちやすそうに見えますよね。
しかし、残念ながら、多くの記号が直感的に理解しにくい場所に配置されているのが、このキー配列の大きな課題です。使ってみると、見た目以上に打ちにくいと感じる方が多いと思います。
広めのキーピッチは確かに快適ですが、記号の位置が最適化されていないため、実際に使用してみると、操作に戸惑う場面が多くありました。キー配列を選ぶ際には、見た目の美しさだけでなく、実用性も考慮することが重要だと改めて感じた経験でした。
このPCを購入した後に、他のPCとしてOne-Netbook社のOneMix5などが候補に挙がりました。しかし、価格が手強く、残念ながら候補からは外れることになりました。なかなか理想的な一台に出会えない時期が続いていたのです。
停滞を打破するかもしれない!MicroPC2の購入を決定
2023年7月頃、ネット上で大きな話題を呼んだニュースに、私は心を躍らせました。それは、長らく停滞していた私の状況を打破する可能性を秘めた、新型MicroPC「MicroPC2」の発売情報でした。
当初の発表では、Intel N250プロセッサを搭載すると伝えられていました。N250という名称は、あまり馴染みがありませんでしたが、N100プロセッサと同じ系統のエントリーモデルに属するという情報から、手頃な価格で手に入るのではないかと期待していました。
そして、ついに価格が発表されました。85,000円という価格は、初代MicroPCと比較すると高めですが、この価格でMicroPCの後継機を手に入れられるという点に惹かれ、迷うことなく購入を決定しました。
購入方法と代理店選び
MicroPC2は、以下の方法で購入できます。
- デントオンラインショップ: GPD製品の正規販売店です。予約注文後、発売後に発送されます。
- 株式会社天空: 公式ストアやAmazonで先行予約を受け付けており、9月下旬発売予定です。
- GPDダイレクト: 日本国内での修理・サポートに対応する正規代理店です。
- 海外通販サイト(例:AliExpress): 購入は可能ですが、サポート面を考えると国内正規代理店での購入が安心です。
今回は、国内保証が充実している株式会社天空(ハイビームさん経由)から購入しました。初期不良などの際に、日本国内で対応してもらえる安心感を重視したからです。
天空さんからの購入特典として、ストラップ、ソフトケース、ガラスフィルムが付属するのは嬉しいポイントです。
いち早くMicroPC2を手に入れたい場合は、クラウドファンディングからの直接購入も選択肢の一つですが、少しハードルが高いと感じたため、今回は見送りました。
ちょっとしたハプニング
注文からしばらく経ったある日、ハイビーム株式会社からメールが届きました。8月20日頃の連絡で、当初予定していたN250版の入荷が未定となったため、Core i3 N300版への変更を依頼するものでした。
Core i3 N300版とN250版の差額は通常1万円ですが、今回は特別に5千円割引という条件で対応してくださるとのこと。そのおかげで差額のみを振り込むことで、N300版へのグレードアップが可能となりました。
N250を搭載したPCはあまり一般的ではないため、Intelがそれほど大量に製造していなかったのかもしれないと、少し興味深い思いをしました。
購入後の使用感
本体サイズ
まずは本体サイズの比較から。写真でもわかるように、MicroPC2は初代MicroPCに比べて横長になり、一見すると大きくなったように見えます。しかし、全体的な体積は初代とさほど変化がありません。
近年、様々な製品が大型化する傾向にある中で、このMicroPC2のようにサイズを維持しつつ進化を続ける製品は、その点だけで大きな価値を持つと言えるでしょう。

動作速度について
初代Micro PCに搭載されていたCeleron N4120プロセッサは、残念ながら現代のニーズには物足りない性能でした。処理速度が遅く感じられる場面も多く、快適な作業環境を求める方には不向きだったかもしれません。
しかし、MicroPC2ならそうした心配は不要です。スムーズな動作と快適な使い心地を実現し、あなたの作業効率を格段に向上させます。
初代MicroPCのCPU性能を数値化したPassMarkスコアは、マルチスレッドで2463、シングルスレッドで1072でした。Micro PC 2に搭載されているIntel N300と比較すると、その性能向上は一目瞭然です。
Intel Core i3 N300のPassMarkスコアは、シングルスレッド性能でCeleron N4120の約2倍、マルチスレッド性能では3倍以上となっています。この圧倒的な性能差こそが、MicroPC2の快適な操作感を生み出しているのです。
より詳細な比較として、GPDが公式に公開している歴代製品のCPU比較表もご参照ください。Micro PC2の処理能力が、歴代製品と比較してどれほど進化しているか、改めてご確認いただけます。


ベンチマークの数値だけでなく、実際の使用感としても、性能向上を実感できます。ストレージもNVMe SSDとなり、初代MicroPCのSATA SSDから大幅にスペックアップしています。
キーボードの使用感
MicroPC2のキーボードは、そのコンパクトなサイズながら、直感的で使いやすい配列が特徴です。小型PCの利便性を重視するユーザーであれば、その実用性をすぐに実感できるでしょう。
一般的な英字キーボードに近い配置で、ある程度の速度でのキー入力が可能です。普段はタフブックで会議のメモを取ることが多いのですが、キー配列はMicroPC2の方が好みに合います。
ただ、初代MicroPCと比較するとキータッチが硬めに感じられます。しっかり押し込まないと入力されないため、タッチタイピングには向いていません。しかし、その分タイプミスが減るというメリットがあります。
大量のテキスト入力が必要な場合は、外付けキーボードやノートパソコンの使用をおすすめします。MicroPC2のキーボードは、あくまでコンパクトさと使いやすさを両立させた、ある程度の入力速度を求めるユーザーに最適な選択肢と言えるでしょう。
タブレットモードの使用感
ヒンジを180度回転させてタブレットモードで使用できますが、Windows 11のタブレットモードの出来があまり良くないため、個人的にはあまり使用していません。あくまでおまけ程度の機能と考えるのが良いでしょう。
まとめ
MicroPC2は、初代MicroPCユーザーにとって待望の正当進化版であり、期待を裏切らない端末です。タッチパネルの搭載、基本スペックの大幅な向上(特にCPUとストレージ)、直感的で使いやすいキーボードなど、初代の弱点を解消し、より快適な使用感を提供します。
以下にMicroPC2の主なポイントをまとめます。
- CPU性能: Intel Core i3 N300を搭載し、初代MicroPCのCeleron N4120と比較して、シングルスレッド性能で約2倍、マルチスレッド性能で3倍以上の性能向上を実現。
- ストレージ: NVMe SSDの採用により、初代MicroPCのSATA SSDから大幅に高速化。
- キーボード: コンパクトながら直感的なキー配列で、ある程度の速度でのキー入力が可能。ただし、初代と比較してキータッチが硬め。
- タブレットモード: ヒンジを180度回転させてタブレットモードで使用可能だが、Windows 11のタブレットモードの出来があまり良くないため、期待しすぎは禁物。
- 購入方法: 国内正規代理店(株式会社天空)からの購入が、国内保証の面で安心。
- その他: 天空経由ならストラップ、ソフトケース、ガラスフィルムが付属。
スマホやタブレットが普及している現在、ミニパソコンは一部のマニア向けの端末ですが、ゲーミングUMPCが多い中、MicroPC2のような元祖UMPCの正当進化版が登場したことは意義深く、今後の展開も期待したいところです。
初代MicroPCからのアップグレードを検討しているユーザーにとって、MicroPC2は間違いなく満足できる選択肢となるでしょう。